阿蘇のグラベルロード[GIANT Toughroad SLR 1]

GIANT Toughroad SLR 1 ハンドリングとコンポーネント[Review 3]

前回〕は、『Toughroad(タフロード)』の実走をへて、”巡航“から”登坂“などの基本的なインプレでした。今回は、バイクコンポーネントをふくめた細かな情報をレビューします。
SRAM変速コンポーネント[Toughroad SLR 1]

実走インプレ

操作性

ハンドリング

このバイクで一番意外だったのがハンドリング。

なぜなら、とくに市場投入されたばかりの29インチホイールMTBは、タイトコーナーが苦手で『曲がらない』とよく耳にしていました。実際に初期のGARYFISHER(ゲーリー・フィッシャー)に乗ったときも、ヘアピンコーナーではバイクを意識的に倒し込まないと旋回に入らないものでした。

タイトコーナー旋回操作[Toughroad SLR 1]
そんな経験をよそに、拍子抜けするくらいToughroadはスパスパ曲がる。その軽快さは26インチホイールMTBと勘違いするほど身軽で、急な進路変更や、シングルトラックのスイッチバックでも「ヒラリ!」とバイクを倒して旋回できます。

ここまで素直なハンドリングなら、なにも意識せず誰でも気兼ねなく乗れるでしょう。そして、荷物を積載していないなら何気にスポーツバイクに化ける面白さがあります。
GIANT CONNECT XC RISER 31.8 640mm[Toughroad SLR 1]
また、バイク操作に重要なハンドルバー[GIANT CONNECT XC RISER 31.8 640mm]との相性も良かった。バーの幅【640ミリ】は私の体格(身長:約166センチ)にフィッティング良好。少々ガレた下りセクションでも、腕が良い感じに湾曲するため、衝撃吸収アクションやホールディングがしやすくコントロール性は高い。
Toughroadの悪路走破性
ハンドルは”たわみ“が少なく剛性はシッカリしているから、路面からの衝撃・振動緩和のためにカーボン素材のハンドルに換装するのもアリでしょう。

コーナーリング

Toughroad SLR 1のコーナーリング
コーナーリングでは、ホイールを含めてバイクの剛性があるため非常に安定している。特にターマック(舗装路)のコーナーリングでは、カッチリとしたフィーリングが伝わってくるため、タイトコーナーでも細かい旋回操作に集中できるでしょう。

また、少々砂利が大きいグラベル(砂利道)でも安定感は有効で、サイクリング的な速度であれば余裕のライディングが可能。しかし、セミスリック系タイヤ[MAXXIS MAXLITE SPEED 29×2.0]のサイドノブは低くく、速度が出ているとバイクを倒し込んでもグリップしません。ただ、バイクの優れた剛性を活かして、スライドで豪快にクリアするのも面白いでしょう。

乗り心地(フレーム/フォーク)

乗り心地は硬め、かといって全てガチガチではないです。ただ、フレーム剛性は高く、見た目そのままMTBのように強靭であるため、そのイメージに反しない乗り心地を想像してもらえればいいと思います。その代わり、ペダリング入力の反応は良好で、踏み込めばダイレクトな加速を楽しむことができます。
Advanced-Grade Composite[Toughroad SLR 1]
フォークの部分には[Advanced-Grade Composite]という大径のカーボンを採用していますが、こちらの強度も高い設定であるため、ロードバイクのような”しなやかさ”は感じられません。なので、素材から想像するような振動や衝撃の吸収能力に過度な期待は抱かないほうがいいでしょう。

フレームもフォークも、このようなフィーリング。なので、高めの縁石ジャンプなどモノともしません〔※荷物積載時は危険〕。

ホイール

リム GIANT S-X2 32H[Toughroad SLR 1]
ホイールもMTB用のように高い剛性をそなえる。リムに張られたスポークはシッカリとした太さがあり、本数は前後とも32本で組まれています。リムの形状は若干ディープ気味。
全体に強度があるため、コーナーリング中にホイールを寝かせていても、たわんでフラつくような不安は感じられません。このフィーリングはグラベル(砂利道)でも変ることはなく、不安定なダートでも進行方向へむかってガッチリと進んでいきます。
グラベルロード走行[Toughroad SLR 1]
このホイールは快適な方向性に仕上げていないため、タイヤの空気圧を高めに入れると、路面からの衝撃はあまり緩和されずバシバシと腕に届きます。
29er 50Cのタイヤ[Toughroad SLR 1]
私は振動衝撃対策として空気圧を【2ber】までしか入れていません。これは、タイヤ幅【2インチ/約50C】のエアボリュームのおかげで、空気圧を落としても腰砕けにならず”リム打ち”の心配が低いからです。しかし、段差や衝撃になりそうなモノを通過するばあい、リスク回避に腕脚での衝撃吸収や抜重のアクションをオススメします。また、この空気圧設定によってハンドリングが改悪されることもありませんでした。

コンポーネント

バイクのコンポは、ドライブ系が『SRAM(スラム)』、ブレーキ系が『SHIMANO(シマノ)』のミックス。

変速

SRAMのドライブコンポーネントは、MTB系のパーツで構成。シフターは[SRAM SL700 10S]で、変速はトリガーシフター機構で操作感はカッチリとした重厚感があります。
シフターSRAM SL700 10S[Toughroad SLR 1]
前後のチェーンリングやコグを大きい歯に変速する場合、少し重めのレバーフィーリングですが、変速するタイミングまでレバーを押し込むと「ガチ!」という金属音と共に変速が完了する。
小さい歯に変速する場合は、シフターを短かめに押すと「バチ!」と歯切れのよい音で素早い変速をする。リアを小さいギアに複数段変速させる場合は、変速段数分のボタンを押さなければなりません。
ディレイラー・SRAM GXとカセットコグ・SRAM PG1020 10S 11-36T[Toughroad SLR 1]
前後変速の歯数は、前が【42 × 28T】、後が【11-36T】とワイドレンジ。アウターローになる【42T】と【36T】のペダリングも可能になるため、大きいトルクを掛けない低速走行などに使用できてメリットが大きい。ちなみに、平地でのアウタートップの巡航速度上限は、常識的なペダリング回転で考えると【40km/h】くらいでしょうか。

ブレーキ

SHIMANOのブレーキセットは油圧ディスクブレーキシステム。ブレーキレバーが[SHIMANO M396]、ブレーキキャリパーは[SHIMANO M395]で【160mm】径のディスクローターを搭載します。
ブレーキキャリパーは[SHIMANO M395]
ブレーキレバーからブレーキキャリパー周りを含めて、廉価なパーツ構成なのですが、レバー全体の質感は良く、レバーに変なグラつきはありません。

ブレーキの作動感は、レバー入力に対してリニアでコントロールしやすい。レバーの引きは軽く、少ない握力で十分な制動力を発揮するため、峠からの長い下り坂でも安定の制動力が得られるでしょう。また、指の長さに適合させるためのリーチアジャスターを搭載するので、幅広いユーザーに最適化することができます。

廉価な価格を超える、かなり優れたブレーキシステムです。

まとめ

GIANTとしては初めてのフラットバーアドベンチャーバイクの「Toughroad」。
キャリアを装備するバイクの「重量が重く、ハンドリングはダルい」というマイナスイメージを払拭する軽快なスポーツ性能に、ターマック(舗装路)からグラベル(砂利道)までスムーズな巡航性能を備えた、新世代のロングツアラーバイクです。
次世代アドベンチャーバイク[Toughroad SLR 1]
駆け足なインプレになりましたが、おおよその情報を書き出せたと思います。Toughroadは納車されてから日が浅いため、まだ書き漏らしたこともあるでしょうが、今後の実走で気付いたことは、またアップしていこうと思います。

2016 GIANT Toughroad インプレ




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